欧州代表と１０、１１日に東京ドームで親善試合に臨む侍ジャパンは９日、ＱＶＣマリンフィールドの室内練習場で最終調整。初選出の楽天・松井裕樹投手（１９）はチームと同様にセットアッパーを任されるが、先輩リリーバーたちから極意を盗む意気込みだ。

　「やばかった。チョー緊張しました」

　日本代表トップチームのユニホームに袖を通しての初練習。あいにくの雨のため、室内で２時間程度の軽めの調整となったが、松井裕の表情は言葉とは裏腹に晴れやかだ。

　キャッチボールでは「流れで」ソフトバンク・武田とコンビ結成。投球フォームをモノマネされては笑い合うなど、和やかな雰囲気で初日の練習を終えたが、駆け出しのリリーフ左腕はきっちりミッションを果たしていた。

　昨季はルーキーながら中継ぎとして９勝１敗２セーブと大活躍した中日・又吉。「セットアッパーとして活躍されている方」と見込んで隣に荷物を置き積極的にアプローチ。中継ぎの心構えを教えてもらった。ウオーミングアップ中にはロッテの守護神・西野にもアタック。メンタル面での助言を受けたという。

　精力的に聞き込みを展開した松井裕は、今春オープン戦では中継ぎで３試合に登板し防御率０・００。それでも「まだ役割には慣れていない。話を聞かせてもらえただけでも、ここにきた価値がある」とその成果に納得顔。リリーフ転向が打診された直後には戸惑いをみせていたが「自分が投げるところで、しっかり気持ちを作っていい投球をするだけ」と切り替えはできている。

　侍ジャパンでの背番号は「４７」。松井裕が番号からイメージする選手は「工藤さん（ソフトバンク監督）」。その先輩左腕も４年目途中まではリリーフとして実績を作り、球界を代表する先発投手に成長した。招集期間の３日間を飛躍のきっかけにしたいところだ。　（片岡将）