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絶好調ラツィオを支えるクローゼ(右)とF・アンデルソン(左) [写真]=Getty Images
文=赤星敬子
セリエA第30節では、エンポリに4-0と快勝したラツィオが勝ち点58とし、トリノ戦を1-1で終えた宿敵ローマを追い越して、ついに単独2位に浮上した。
ラツィオはしかも8連勝という絶好調ぶりで、6月に37歳になる元ドイツ代表FWミロスラフ・クローゼもゴールを決めて勝利に貢献した。チャンピオンズリーグ出場が見えてきたゲームに、クラウディオ・ロティート会長も「チーム史上に残る一日となった」と、いかにも満足気だった。
前半にあっさりと3得点を決めて試合を完全に有利に進めていたとはいえ、ディエゴ・ノヴァレッティが退場処分となった58分以降を10人で闘い抜き、完封したのは大きい。何と言ってもこの日の主役、そしてまた今シーズン後半の主役はクローゼだった。前半31分に鮮やかな追加点を決めると、スタンドへ走り寄った。そこには10歳の双子のノア君とルーアン君がいた。
ラツィオの少年チームに所属している2人。11日にはローマとのダービーマッチが行われ、ノア君はゴールを決めていた。相手のローマにはフランチェスコ・トッティの息子、クリスティアン君がいた。
クローゼは親子で得点した歓喜の瞬間を分かち合うため、息子たちの元へ走った。今シーズン10得点目という区切りのゴールでもあった。クローゼは「2位に上がれてうれしい。今の調子をキープしたい」と試合後に勝利を喜んだ。
改めてラツィオの年明けの歩みを見てみたい。2月上旬の第21節のチェゼーナ戦、続く第22節のジェノア戦で連敗し足踏み状態だった。しかしその後の2月15日、第23節のアウェーのウディネーゼ戦を1-0と勝利で飾ってから、8連勝と破竹の勢いだ。上位を争うライバルとの一戦となった第26節のフィオレンティーナ戦の4-0の試合ぶりは見事。
クローゼやフェリペ・アンデルソンら得点力の高い攻撃陣に目が行きがちだが、守備力も素晴らしい。サッスオーロ、フィオレンティーナ、トリノ、ヴェローナと第25節からの4試合をすべて無失点で勝利に結びつけていることも見逃せないポイントだ。
ラツィオの8連勝は過去3度あった。古くは1972-73シーズンのトンマーゾ・マエストレッリ監督時代、そして2006-07シーズンのデリオ・ロッシ監督時代だ。9連勝はたった一度だけ、スヴェン・ゴラン・エリクソン監督がチームを率いていた1998-99シーズンに記録している。次は首位を独走するユヴェントス戦だけに、クラブ史上最高記録に追いつくかどうかは非常に難しいところだ。今年一年目のステファノ・ピオリ監督も「我々はまだ何も勝ち取っていない。今シーズンはあと8試合残っている」と自制心を持ってラストスパートへ臨む。
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