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「前半戦絶望」情報が流れるソフトバンク・松坂大輔「右腕の重傷度」(2)

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「前半戦絶望」情報が流れるソフトバンク・松坂大輔「右腕の重傷度」(2)

「前半戦絶望」情報が流れるソフトバンク・松坂大輔「右腕の重傷度」(2)

 松坂不在でも、工藤ホークスはびくともしない。先発陣は攝津正、スタンリッジ、中田賢一、大隣憲司、武田翔太らがおり、救援陣も森福允彦、飯田優也の両左腕をはじめ、サファテ、森唯斗など、バラエティーに富んだスタッフが控えている。
 こうした戦力層の厚さがあったからだろうが、工藤監督は松坂の調整遅れについて質問される度に、こう答えてきた。
 「時間がかかってもいい。しっかり投球ができる態勢ができるまでは…」

 その方針は“右腕の異常”が報告された後も変わっていないという。工藤監督自身、左肩や肘の故障で長期離脱した経験があり、それを乗り切ったからだろうが、こんな見方もある。
 「松坂と交渉に入る前の編成会議で、大半が復活に悲観的でした。それを一変させたのは王貞治会長でした。王会長は松坂獲得が可能であることを孫正義オーナーに報告し、了承を取り付けました。このまま復活できなければ、王会長に恥をかかせることになる」(在阪スポーツ紙記者)

 松坂も王会長の立場はわかっている。高額年俸で入団した責任感もある。先発投手として輝きを取り戻す自分自身に、期待していた面もあっただろう。
 だからこそ、開幕一軍メンバーから外されることが決まった途端に“ブルー”になり始めた。
 「開幕一軍の夢が破れたショックでしょう。同時に日本球界に復帰しても、アメリカと変わらない二軍暮らしの現状に打ちのめされたようです。向こうでもマイナー暮らしが長く続いたため、精神面でもつらい思いをしていましたから」(ホークス担当記者)

 不振の原因は、これまで投球フォームの乱れとされてきた。メジャーの固いマウンドと投げ込み量を減らす調整法が合わず、上半身だけで投げるフォームに落ちぶれてしまったわけだが、ホークス入り後、2つ目の不振原因も判明した。
 「ストレートには往年のスピードはなく、変化球もウイニングショットにならない。カーブ、シュート、スライダーはどれも平均点。バッターに狙い球を決められたら、それでおしまい」(ライバル球団スコアー)

 これは、オープン戦2度目の登板(対巨人/3月10日)の際、各球団スコアラーが口にしていたもの。広島カープの黒田博樹は新兵器・ツーシームを引っ下げて帰還し、他球団の偵察部隊を悩ませた。同じメジャー帰還投手でも、松坂は相手チームに脅威を全く与えられなかったのだ。
 「オープン戦での不振を首脳陣に聞かれたとき、松坂は『想定内』みたいな返事をしていました。その場では注意されませんでしたが、あんな物言いをしていたら、今の右腕の異常も自己責任ということになりますよ」(前出・球界関係者)

 優勝を狙う以上、工藤監督に温情はない。松坂のことを『平成の怪物』と呼ぶ者は、もういない。

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