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◇オープン戦 楽天3-1ヤクルト(2015年3月14日 静岡)
楽天の松井裕樹投手(19)が14日、ヤクルトとのオープン戦でプロ初セーブを挙げた。2点差の9回に登板し、走者を2人出しながらも3奪三振で無失点。大久保博元監督(48)は試合後、抑えとして起用することを明言した。高卒2年目の守護神は過去に小松辰雄(中日)らが活躍したが、左腕で2桁セーブを挙げたケースはなし。楽天に待望の19歳守護神が誕生した。
【写真】抑えとして起用することを明言した楽天・大久保監督
大きく、鋭く曲がった。9回2死一、二塁。松井裕が2ボール2ストライクから宝刀のスライダーを投じると、飯原のバットは空を斬った。試合終了。大きく胸を張った左腕にナインが駆け寄る。19歳の守護神が誕生した瞬間だった。
「2アウトを取って投げ急いだけど、いい経験になった。今後もチームの勝ちに貢献したい」
3―1の9回にマウンドに送り出された。守護神を務める予定だったミコライオは今月上旬に椎間板ヘルニアを発症して全治3カ月で離脱。10日に大久保監督から代役の守護神候補に挙げられてからは初めてのセーブ機会での登板だ。畠山、田中浩をチェンジアップで連続三振に抑えたが、大引に四球、中村に中前打を浴びた。それでも「2点もリードがある。極端に言えば1点は取られてもいい」と切り替え、最後も三振で締めた。
試合後、サプライズが待っていた。全体ミーティングで大久保監督は松井裕の守護神就任を発表。これには松井裕も「みんながいる前で言ってもらってありがたかった。使命感を感じます」と表情を引き締めた。10代の守護神は極めて異例で、高卒2年目で2桁セーブを挙げたのは過去に79年の小松(中日)、85年の渡辺(西武)、95年の平井(オリックス)の3人しかおらず、いずれも右投手。怪物左腕が歴史に名を刻む期待も膨らんだ。
高卒1年目の昨季は126奪三振を記録。奪三振率9・78は、パ・リーグでは日本ハム・大谷の10・37に次ぐ。今季は「先発で2桁勝利」を目標としたが、「今年に限っては三振を取れる中継ぎがいない」(大久保監督)というチーム事情で、2月のキャンプ期間に中継ぎに配置転換された。オープン戦は、通算5回で10奪三振。奪三振率は驚異の18・00を誇る。最初は戸惑ったが「実績のない2年目の19歳に責任ある仕事を与えてくれた」と現在は意気に感じている。
松井裕は話す。「やっぱり9回は難しい。次は試合終了まで気持ちを入れて投げる」。新たな分野に足を踏み入れた19歳には、無限の可能性が広がっている。
▼楽天・高村投手コーチ(守護神に決まった松井裕について)三振が取れるのが最大の魅力。走者は出しても本塁に還さなければいい。
≪球団“伝統”抑え不足≫楽天は例年ストッパー不足に泣かされている。昨季はファルケンボーグが20セーブを挙げたものの、リーグ順位は6位。球団1年目の05年以降、シーズン30セーブ以上とセーブ数リーグ3位以内の選手がゼロは12球団で楽天だけだ。また、楽天のシーズン最多セーブ投手は発足時から11シーズン連続右投手。左腕の松井裕が今季最多ならチーム初めてになる。