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水都大阪らしい海上リゾートで関西にパワーを──。次世代を見据えた提言活動で定評のある関西経済同友会がこのほど、大阪・夢洲(ゆめしま)に統合型リゾート(IR)を建設する構想を提言にまとめ、ダイナミックな動画付きで公表して話題を呼んでいる。同友会では、問題視されているギャンブル依存症の対策をしっかり盛り込んだうえでIRの建設を推進し、2020年の東京五輪開催に合わせて、大阪IRを開業し、内外の観光客を誘致したいと意気込む。
水都大阪のシンボルとなる海上都市を創造
[写真]夢洲IRのイメージ図(関西経済同友会提供)
IRはホテルやレストラン、劇場、国際会議場、アミューズメント施設などに、カジノを組み合わせた複合観光施設。先行する世界各地のIRは、地域振興や観光客誘致の基幹施設の役割を担う。日本でIRを建設するには法改正が欠かせず、IR推進法案が今国会で討議される見込みとなっている。
同友会の提言では、建設予定地を大阪ベイエリアの夢洲に設定。約220ヘクタールの広大な用地に、関西が得意とする環境技術などを結集した世界初の「スマートIRシティ」を建設する。
まち全体の設計モチーフは浪華八百八橋の原風景。水の都として栄えてきた大阪の歴史文化を重視し、水都
大阪のシンボルとなる海上都市を創造するという。
十分な広さを生かして、多彩なテーマで観光施設を集積し、富裕層から家族連れまで幅広い集客を実現する。水族館などの体験型テーマパーク、関西の伝統文化を発信するシアター、関西各地の観光資源を楽しめるミュージアムなどを組み合わせ、子どもからシニアまで家族3代で楽しめる世界水準の集客拠点をめざす。
カジノのスペースは全体の3%
IRイコールカジノのイメージが強いが、同友会の提言では、カジノの延べ床面積は全体施設の3%程度に設定されている。一方、テーマパークの敷地面積は20万ヘクタール、商業施設の店舗面積は10万平方メートルに達し、客室が7000室のホテル、観客席1万5000席のアリーナが建設される。1万平方メートルの温泉スパ施設もリストアップされている。
全体を見渡すと、富裕層を対象としたカジノはごく限られたエリアで、一般の観光客が家族連れで楽しむ観光商業スペースが施設の大半を占めている。
独自の強みを持った関西企業が多様な分野に参入し、関西から日本を元気にするオール関西のプロジェクト態勢で臨む。半面、IRの建設費、開業後の売り上げ、集客、雇用創出などの具体的数値に関しては、IRの運営スキームによって異なってくるため、今回の提言では示されていない。
ギャンブル依存症対策を7項目提唱
[写真]夢洲IRのイメージ図(関西経済同友会提供)
IRに対する反対意見でもっとも強いのが、ギャンブル依存症拡大への危機感。カジノが公認されると、ギャンブルにおぼれてしまう人たちが増えるのではないかという指摘だ。そこで、同友会では、7項目にのぼるギャンブル依存症対策を提唱している。
第1は「自己排除プログラムの導入」。ギャンブルにのめりやすい性格の人が、カジノに入場できないよう、自身でカジノ側に依頼するものだ。第2は本人でなくとも排除できる「家族申告による排除プログラムの導入」だ。
第3は「入場料の徴収」。日本人のカジノ入場者に対しては、一定程度の入場料を徴収し、のめり込まないよう防止する。シンガポールでは自国民に1日100シンガポールドル(約9000円)、年間2000シンガポールドル(約18万円)というかなり高額の入場料を徴収し、自国民の入場を実質的に制限している。
第4に「ギャンブル依存症対策費はIR運営企業が拠出を」。政府がカジノ免許を与える際、IR運営企業に、利益の一部をギャンブル依存症対策費として拠出することを、義務付けるべきとしている。さらに「日本版ギャンブル依存症対策審議会(NCPG)の設立」「ギャンブル依存症に関する社会調査の継続的実施」「カウンセリング・治療体制の充実」を主張している。
同友会は、政府に対し、東京五輪が開催される2020年を目標に、大阪・関西IRが開業できるよう、IR推進法制定などの環境整備を強く求めていく。東京五輪と大阪・関西IRを、「双発の成長エンジン」とし、日本をバランスのとれた発展に導くべきとしている。
同友会担当者は「一般の方からも、提言書を読みたいので送ってほしいという要望が届いている。市民ベースでIRへの関心が高まることを期待しています」と話している。詳しくは関西経済同友会(http://www.kansaidoyukai.or.jp/)の公式サイトで。
(文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)
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