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女優、モデル、歌手とマルチな活躍を見せる西内まりや。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで夢を次々と具現化している才女が、現在放送中のNHK木曜時代劇『かぶき者 慶次』で、藤竜也演じる慶次の娘・佐乃を演じている。「ピアスを開けないのは、時代劇に出るため」とブログで公表するほど悲願だった時代劇への出演。改めて現在の心境や撮影状況などを聞いてみた。
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本ドラマは、東北・米沢を舞台に、戦国一のかぶき者と言われた武将・前田慶次の晩年を人情味豊かに描く痛快ドラマ。西内、藤のほかに、慶次の一人息子・新九郎役に中村蒼、新九郎の親友・安田勝之進役に工藤阿須加、そのほか火野正平、伊武雅刀、田畑智子、壇蜜、笛木優子、角田信朗ら豪華キャストが名を連ねる。
そもそも西内は、なぜそこまで時代劇にこだわるのか。「とくに歴史に詳しいわけではないんです。演技のレッスンをしていく中で、時代劇はとても(敷居が高く)自分が出られる世界ではないという思いが募り、いつしか役者としての大きな目標になっていきました。ピアスを開けなかったのは、その決意の証し」と大きな目を輝かせる。
そして今回、目標だった時代劇への出演に手が届いたわけだが、夢と現実、その違いはあったのだろうか。「すんなりできたことと、想像より大変だったこと、両方ありましたね」と撮影を振り返る。「すんなりいったのは、物語の把握。時代劇って小難しいイメージがありましたが、(このドラマはとくに)ホームドラマのようだったのでスーッと入ってきましたね。逆に大変だったのは、やはり言葉遣いや所作。初めてのことばかりなのに、あたかもそれでずっと生きてきたように表現するのが難しかった」と時代劇の壁を痛感する。
例えば言葉遣い。「昔の言葉と自分の感情がなかなか一致しなかったので、ものすごく練習しました。あまりにも練習し過ぎて、バラエティー番組などで、『わたくしは』とか『父上が』とか、つい出ちゃって相手の方がポカーンとすることもあった」と苦笑い。所作についても、「セリフで精一杯なのに、所作まで体に染み込ませるのは本当に難しくて、着物も最初は着せられている感覚だった」と述懐する。
さらに、監督の演技指導が厳しくて、西内は一人呼び出され、徹底的に練習させられたという。「私が少しでも不安を抱えて演技をしているとすぐに見抜かれる。最初の本読みがあったときに、一人だけ呼び出しを受けて、『あなたは演技が下手だから、今から一人稽古やります!』って言われて…もうグサッですよね。でも、それがあったからこそクランクインのときに自信を持って撮影にのぞめたので、監督の愛だと思って、今はとても感謝しています」とどこまでも前向きだ。
3rdシングル「ありがとうForever…」の発売も5月6日に決まり、映画『レインツリーの国』も公開も控え、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの西内。現在の心境をたずねてみると、「一言でいえば『幸せ』です。悩みもたくさんありますが、それはやりたいことをやっている証し。1年後の私がどうなっているのか楽しみ」と満面の笑み。来年、西内まりやがどこまで進化しているのか、期待に胸を膨らませながら、まずは『かぶき者 慶次』を心ゆくまで堪能したい。(取材・文・写真:坂田正樹)
木曜時代劇『かぶき者 慶次』(毎週木曜20時)は、NHK総合テレビにて放送中。