2015年を以って無期限の活動休止を発表したthe telephones。3月18日には10年に及ぶ活動の集大成となるベストアルバム「BEST HIT the telephones」を発売した。

　07年にミニアルバムでデビューしたthe telephonesは、今やJ-ROCKシーンに定着したダンスロックの火付け役といっても過言ではない。Klaxonsなどに代表される、00年代後半の洋楽インディーのトレンドにも通ずるサウンドに載せ、ボーカル・石毛輝がそのハイトーンボイスでディスコと叫ぶ。とにかくテンションの高い楽曲とライブパフォーマンスで瞬く間に話題となり、新人ながら入場規制も出るほど各地のフェスを熱狂させた。

　邦楽ロックフェスには欠かせない存在となった彼らだが、海外の音楽サイトや個人ブログでも度々紹介されており、早い段階で国外からも注目を集めていた。

　09年にイギリスの一般新聞の文化面で日本のロックバンドが特集された際には、「The Killers的な中毒性のあるディスコシンセとBloc Partyのギターフレーズをコミカルなアホらしさでまとめている」といった形容で、とにかく楽しくて奔放な音楽をやるバンドであると紹介されている。

　アメリカのブログにもMV動画と共に取り上げられ、「初めて見たけどユニークでいいね」「日本の音楽ってそんなに興味なかったけどこれからチェックしなきゃ」など、独特の個性を放つ彼らの楽曲を一聴して気に入るリスナーが続出。別のサイトでは、13年発売のアルバム『Laugh,Cry,Sing… And Dance!!!』に対し「新譜ヤバいね」「今年の個人的ベストアルバムのひとつだ」という声が寄せられ、「今、D.E.N.W.Aを着信音にしてる」というアメリカ人男性もいた。

　13年秋にはPOLYSICSのヨーロッパツアーに合流する形で4カ国でのライブも経験していただけに、今後さらに海外公演を行う機会も増えていたはず。残す5月の武道館公演、そして数本のフェス出演などどこかで彼らのパフォーマンスを観る機会がある人は、その唯一無二のエネルギーを存分に体に刻み込んできてほしい。

　文:有沢ありさ

　「BEST HIT the telephones」収録曲「Say DISCO」MV
　https://www.youtube.com/watch?v=WpShPaLC-9E