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難病の少女の顔を笑う人々 ― 母「彼女はモンスターではない」=米

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難病の少女の顔を笑う人々 ― 母「彼女はモンスターではない」=米

難病の少女の顔を笑う人々 ― 母「彼女はモンスターではない」=米

 

 自分の分身ともいえる我が子が、何らかの身体的特異性をもって生まれたと想像してみてほしい。それが女の子で、そして女の子にとって大事な大事な「顔」だったとしよう…。

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 何の事情も知らない他人からいわれのない言葉を浴びせられる女の子。あなたはどうやってその子を守る? 今回は「染色体二重複症候群/Chromosome Two Duplication Syndrome」という先天的な障害をもって生まれた女の子と、その母親が立ち向かった一連のトピックスを紹介したい。

■娘の誕生日について「Facebook」へ投稿→数千のシェアと残酷なコメント

 アメリカ、サウスカロライナ州サマーヴィルに住むマライア・アンダーソンちゃん。彼女は、先月2歳の誕生日を迎えたばかりのほんの幼子であるのだが、彼女にはほかの大勢の2歳児とは違う特徴があった。

 それは「染色体二重複症候群」という希少な病をもって生まれたことである。この症候群は運動と学習能力の両方に影響を及ぼす遺伝的な病気で、かつ決定的な治療法が未だ発見されていない、いわゆる難病なのだが、当然、この病気を患っていることが直接的に彼女の人権に影響することはない。ところがある日、突如としてこの小さな少女が見知らぬ大勢の人々に嘲笑されるという、あってはならないことが起きたのだ。

 先月の終わり、彼女の2歳の誕生日に母親であるキーラ・プリングルさんは、そんなお祝いの様子を「Facebook」に写真付きでアップロードした。数時間後にチェックしてみると、信じられないほど多くのシェア数と、マライアちゃんをからかう言葉があったのだ。

■「この子は実際の人間で、モンスターなんかじゃない」荒らしへの抵抗

 マライアちゃんの母親キーラ、キーラの母(マライアちゃんの祖母)リンダは、当然これに遺憾の意を示し、同時に世の人々に笑われたことを深く悲しんだ。このことはアメリカでは国民的報道番組である「News2」でも取り上げられ、その際のインタビューでキーラは「彼女は偽物でも、モンスターなんかでもない。彼女は本物で、ここに生きている」と、つらい感情を抑えながらもコメントしている。祖母のリンダもまた、「彼女(マライア)は実際の人間で、子どもで、まだほんの赤ちゃんです」と語ったという。

 するとその後、全国的な報道の影響もあってか、「小さな女の子の見た目だけを取り上げて笑ったこと」「病気のために短い寿命であるにも関わらず必死に生きている子どもとその家族を苦しめてしまったこと」を反省した一部の人々から、家族向けに謝罪の言葉が届いたのだという。これを素直に受け取ったキーラは、好意的なコメントに変わったことに対して安堵している。ちなみにマライアちゃんは、当初診断した医師が予想していた寿命よりもはるかに長く生きているのだそうだ。

 大切な我が子がどんな病気を抱え、それによってどんな容姿となろうとも我が子であることに変わりはなく、自分よりも大切な存在であることにも変わりはない。

 自分の立場に置き換えて考えてみれば最初からそんな言動に及ぶことはできなかったはずの全ての者が悔い改める必要があるとともに、障害をもつ人ともたない人とが平等に暮らしていける世間が形成されていく日がそう遠くないことも願いたいものだ。
(文=ODACHIN)

※マライア・アンダーソンちゃん(2歳) 画像は「YouTube」より

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