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2009年、ノーベル医学生理学賞したのは、「寿命の鍵を握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組み」についての研究だった。テロメアは「TTAGGG」という塩基配列の繰り返しから成り立っていて、これが長いほどヒトも長寿になる。しかし残念なことに、テロメアは年齢を重ねるほどに短くなってしまう宿命にあるのだ。
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テロメアとは、染色体の先端に存在するキャップのようなもの。螺旋状になっている大切な遺伝子情報を保護する役目がある。人体にある数十兆の細胞は、絶えず分裂活動をすることで人間の生命を維持している。が、細胞が分裂する際、テロメアも短くなってしまう。その結果、身体に老化現象が起こってくるというわけだ。
さて、ここまでならなんとなく知られている。しかし、テロメアの話はまだその先がある。
通常、人体にあるテロメアは短くなる。ただし、幹細胞、生殖細胞、ガン細胞の3つにあるテロメアは短くならない。それは、テロメラーゼという酵素が働くからだ。
このヒトテロメラーゼを最初に発見したのが、ウィリアム・アンドリュース博士である。しかも、2015年1月に初来日、関係者を集めて記者発表をするということで、早速行ってきた。
■世界初のテロメラーゼ酵素配合化粧品が発売間近!
アンドリュース博士は、科学界では「不老不死」の研究者としてよく知られているらしい。その証拠に2014年には博士を取り上げた『The Immortalists』というドキュメンタリー映画まで作られ、数々の映画賞を受賞していた(日本未公開)。
惜しくもアカデミー賞は逃したが、今回博士が来日したのはこの映画のプロモーションではない。テロメアを長くして老化を止める夢のようなテロメラーゼ酵素がこのたび製品化されるからだ。
安全にテロメアを修復させるため、30年間の研究生活で、博士は膨大な数の中から900ものテロメラーゼを発見してきた。
そのなかでもっとも強力かつ安全なのが、TAM-818と命名された合成した物質。博士の研究をバックアップしてきたニュージーランドのdfytime社が満を持して製品化することになったわけだが、「defytime cream」と名付けられた製品は、日本で初のテロメラーゼ酵素配合の化粧品となる。
臨床テストでは目尻のシワが消え、リバウンドも副作用もなかったという。日本での発売に向けて現在進行中ということだが、若返りの化粧品がどれほどの結果を出すのか、今後も注目である。
(取材・文/もりいあんじ)