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昨年末、死んだ母ザメのお腹を裂き、赤ちゃんザメを救出する光景を収めた動画が世界中で話題となったが、またも同様のケースが発生したようだ。今度の動物は、オーストラリアに生息する有袋類、ウォンバット。
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南オーストラリア州、アデレード近郊。先週土曜日、ドライブ中のDmrenzo Kotzeさん(21)とChris Dimasiさん(20)は、路上で轢かれて死亡したと思しきウォンバットを発見した。そして2人が車を停め、その不幸なウォンバットを路肩に寄せようと持ち上げた時、お腹の袋がピクピク動く瞬間を目にしたのだという。そこに赤ちゃんウォンバットがいることを確信したDimasiさんは、すぐにナイフを取り出した。屠殺場で働く彼が、迷うことなく手際よくウォンバットの腹部を切り裂くと――袋の裂け目から、ぴょこっと赤ちゃんウォンバットが飛び出した!
「布で包んでから、家まで連れて行き、体についた泥などを洗い落としてあげました。ジェフリーという名前もつけたんですよ」(Kotzeさん)
今月24日付の「The Advertiser」紙によると、ジェフリーはその後、同州で動物保護活動に取り組むNPOに引き渡され、なぜかウィスパーと改名されてしまったようだが、大切に育てられている模様だ。NPOの代表者は、体重が247gしかないウィスパーには人工保育が必要だとした上で、次のように語る。
「まだソーセージほどのサイズでしかないのですが、彼は元気です。温かいシートに包まれながら4時間ごとに哺乳瓶で栄養を摂って、とてもいい子にしていますよ」
「普通ウォンバットの赤ちゃんは、体重が3kgくらいになってから袋の外に出ます。野生に帰される前に、まだまだ体重をつけなければいけません」
「もしも(母ウォンバットの袋から)救出されなければ、1日以内に死んでしまっていたでしょう」
そして今回の救助活動について、2人の素早い対応を賞賛する一方、同様の事態に遭遇した人は、まず動物保護団体に連絡してほしいと呼びかけている。有袋類の赤ちゃんは、母親の袋の中で乳首をくわえているため、無理に引き離そうとするとアゴに障害が残ってしまう可能性もあるとのこと。
救出時の様子を自身のFacebookアカウント上で公開したKotzeさんは、「ジェフリーの父親になったことを誇らしく思っています」と述べた上で、道路で動物を轢いてしまったら、路肩に寄せて放置しないよう呼びかけている。さて、いつの日か2人に「ウォンバットの恩返し」があるだろうか。