政治そのほか速
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今やすっかりお茶の間の人気者になった髙田延彦が、映画『スーパーヒーロー大戦GP仮面ライダー3号』(3月21日ロードショー)に出演し悪の大幹部「ブラック将軍」を演じている。
【画像】天龍や安生との名シーン
幼い頃の仮面ライダーごっこ、引退する天龍源一郎や安生洋二との秘話、そして、かつてプロレス界に物議を醸したツイッター発言の真相を明かす!
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―今回、髙田さんは仮面ライダーの映画に出演されますが、子供の頃はご覧になっていたんですか?
髙田 見てた! 一番ハマった世代じゃないかな。カードが欲しくてライダースナックを何個買ったかわからない。ライダーごっこもよくやった。毎日のように農家の納屋に登って「変身、トーッ」って飛び降りたり。仮面ライダーのおかげで高い所から跳べるようになったんだよ。
―若手時代のミサイルキックはそのおかげですか(笑)。出演オファーが来た時はどう思われましたか?
髙田 迷うことなく受けたよ。もちろん、自分が子供の頃に憧れていた作品に参加できる喜びもあるし、髙田道場では月に1回のペースでダイヤモンド・キッズ・カレッジ(レスリングを採り入れた子供の体育イベント)を開催しているから、小学生の子供たちと触れ合う機会が多いんだ。子供たちが「ブラック将軍だ!」って反応してくれたら嬉しいよね。
―ブラック将軍は悪の組織ゲルショッカーの大幹部ですけど。
髙田 大幹部に見えないかもね。顔がベビーフェースだから。
―確かに、悪役顔じゃないですよね。
髙田 かなり優しそうなブラック将軍に見えるかもしれないね(笑)。ブラック将軍は全編にわたって登場するわけじゃないから集中して見てほしいな。後半ではひとつ見せ場があるので!
―ブラック将軍は、ハッスルの髙田総統を彷彿(ほうふつ)させます。
髙田 「悪のテンション」を自然体でやると、どうしても総統と一緒になっちゃうんだよ(笑)。それこそ数十m先にいる相手を威嚇(いかく)する怒鳴り声のテイストは同じになっちゃう。しょうがないよね、私がやってんだから。
―衣装も似てますし。
髙田 最初に衣装合わせをした時、普通に「これ総統だな」と思ったよ。
―さて、ライダー映画への出演と聞いて思い出されるのが2012年のツイッターでの発言です。髙田さんは「強さを追求しないプロレスイベントなんて単に身体の大きなやつらの仮面ライダーごっこ以下だよ」と呟(つぶや)かれました。
髙田 今さらその話題なの?(笑)
―ぜひとも今回はそこに触れたいなと思いまして。なぜ、ああいうツイートを?
髙田 もう覚えてないよ。話題の鮮度もゼロに近いんじゃないかな?
―そこをなんとか絞り出していただけませんか(苦笑)。
髙田 Show君(インタビュアー)はいつもそうだよね。薄れた記憶を絞り出すのには相当なカロリーを使うんだよ。このインタビューは脳トレみたいになりそうだな…それにさ、今頑張っているニュージャパン(新日本プロレス)にとって耳障りなことを言わなきゃいけないし、私の印象が悪くなるだけだもの、コレ。
―髙田さんの魂ある言葉なら読者に伝わります!
髙田 そうだなぁ…なんであんなことをツイートしたんだろうね(笑)。
―というと?
髙田 不愉快な思いをしたファンには悪かったと思うよ。大人なんだから、もうちょっとオブラートにくるんでやらないとイカンよね。せめて「レベルの高い仮面ライダーごっこ」ぐらいにしておかないと…ちょっと飲みすぎた。
―酔った状態でのツイートでしたか(笑)。
髙田 NWF(*)好きの友人たちと一杯やってたら、プロレスの話が膨らんじゃったんだよ。気持ちよく床について、朝起きたら「おい、こんなことを呟いたのか、私は…」と。
*NWF=70年代から80年代初頭までアントニオ猪木が保持した新日本プロレスの看板タイトルだった
―覚えてなかったと。ちなみに深夜1時13分のツイートです(笑)。この発言は結構、物議を醸しました。今のプロレス界を背負っている人たちにとっては「今さら髙田延彦に言われたくない」という思いもあったでしょうし。
髙田 それは知らないけど、ちょっとストレートに言いすぎました。だけど、今あらためて当時を振り返って自己分析してみると(発言の)根っこというか前兆があったね。
―前兆?
髙田 実はこの年の春あたりにニュージャパンからオファーがあったんです(試合ではなくセレモニー出演)。結果的にはお断りしたんだけど。そのオファーに対してイエス・ノーを出す前に、いま一度私が思うニュージャパンを一考してみたんだ。結果、脳の隅っこで自分の「故郷」に対するジレンマの小さな種火が生まれたんだろうな。そしてその種火があの晩、ツイートに化けたんだよ。
―どのような種火だったのですか?
髙田 また外野のオッサンがなんか言っとる!なんて思われそうだが…私のクオリア(感覚的な心象風景)を言葉で表現するならば、「故郷の景色がガラッと変わってしまった」ということだよ。いちOBとしての故郷に対する物足りなさだね。
創業者(アントニオ猪木や山本小鉄)の思いが今は反映されていないんじゃないか? (旗揚げ当時)なぜ小さなプロレス団体が、大胆にも百獣の王であるライオンをシンボルマークにして「キング・オブ・スポーツ(スポーツの王様)」の看板を掲げて歩き出したのか? そしてなぜ格闘技界のみならず「世間」を強く意識しながら団体の生命線たるカラーをつくり上げてきたのか?
今はその片鱗(へんりん)が見えてこない。「俺たちはこの看板を受け継いでいるんだぞ」という意識が足りない気がするよ。私は入門してあのライオンマークを身につけることが嬉しくて、用もないのにTシャツに腕を通して(道場のある)等々力(とどろき)の街を歩いたもんだよ。
―その意見に共感する人も多いと思いますよ。
髙田 当然、時代に応じたマイナーチェンジはアリだと思うし、才能あふれる選手たちがリング上でのパフォーマンスに集中できる環境が整っているのも素晴らしいことだと思う。
だけど、それはそれ。質の高い人材、素材がそろっているなら尚更、もっと振り幅のあるスケールの大きな選手が出てこないとイカンよ。確かにビジュアルがよくて仕事もうまいんだろうけど、内向きに小さくまとまっている気がする。
リスクを背負ってプロレスラーの強さを世の中に知らしめる作業もしないと、プロレスに興味のない人々にまで到達する爆発力は生まれないと思うよ。
―ちなみにこの対談の時、ホテルから「もうお酒はありません」と言われました。まだあったんでしょうけど。
髙田 ホテルそのものが危険だと思われたんだろうね(笑)。
―な、なるほど…。
髙田 1994年に安生(あんじょう)洋二がヒクソン・グレイシーの道場に行った。もちろん賛否両論はあろうが、これも「プロレスラーが『キング』を獲りにいく」という非常にわかりやすいケースだよ。安生の心意気には少なからずライオンマークの遺伝子が入ってるし、その影響を受けてるんだよ。あのライオンマークをみんなの力で磨いて、もっとピッカピカに輝かせてもらいたいね。
―今年はその安生選手、そして天龍源一郎選手が引退されます。
髙田 寂しいね。
―髙田さんと天龍さんの試合は、プロレス大賞年間最高試合賞をとってますよね(96年9月、神宮球場)。
髙田 天龍さんとのシングルマッチ2試合はプロレスラーになって本当によかったと思える、夢のような時間・空間だった。実際に肌を合わせてぶつかった感覚は今でも忘れられないよ。天龍さんと神様に感謝してる。
あの人はリングに上がれば、試合会場全体を自分の持っている薫りというのかな、空気に染めていく独特な力を持っている。私もそれを体得しようとイメトレしたけどなかなかできなかった。あんなすごいプロレスラーはもう出てこないだろうな。
―98年の年末、髙田さんと天龍さんの対談を都内のホテルでやったんですけど、対談終了後、「酒持ってこい」となって、その場にいた全員がヘベレケになるまで飲まされたんです。天龍さんは、酒が回るように髙田さんの頭をつかんでシェイクしてました。
髙田 あのシェイクは効いたなぁ、今でもダメージが残っているよ(笑)。あの人、絵に描いたようなガキ大将だよね。
思えば、天龍さんと会う時はいつも飲んでた気がする。マジメな話をするのも照れくさいし、体育会というより、完全に昭和の「格闘会」飲み。二度と戻れないあの時間も私には大切な宝物だね。
―そして髙田さんの弟子の筆頭といえる安生選手の引退。彼の入門から30年くらいのお付き合いですか。
髙田 彼との歴史は濃いからなー。やっぱり「よくぞ残ってくれた」ってことじゃないかな。いまだに入門を許可してないんだけどね(笑)。
―そうなんですか?
髙田 安ちゃんが初めて道場に来たとき、「どうせ向いてないから辞めさせよう」って話になった。だから、毎日限界ギリギリのムチャクチャなトレーニングをつけてたの。練習が終わって「明日は来ないだろう」となるでしょ。だけど翌日もケロッとした顔で「おはようございます」って来るんだよ。みんなで目を合わせて「また来た!」って、毎日その繰り返しで。
よくぞ、あの稽古に耐えて食らいついてきた。そしていつの間にか(正式に入門許可してないのに)団体(UWF)の一員になっていた初のケースだよ。
―イイ話ですね!
髙田 (安生vs)チャンプア・ゲッソンリット戦(89年11月、東京ドーム)の頃には見事にハイレベルなオールラウンダーに仕上がっていたよ。彼は努力の人だけど天才肌でもあった。自分がイメージしたことを体で表現する能力も高かったし、人を指導して育て上げる才能もあった。ハッスル全体としてのパフォーマンスにもあらゆるシーンに彼の才能が反映されていた。要は演出家でもあるのよ。
―先ほどお話が出ましたが、安生選手がヒクソンに道場破りを挑んで、血だるまになって返り討ちに遭った時(94年12月)、髙田さんは「頭をガーンとハンマーで殴られた気がしたと同時に、これで自分もヒクソンとやることになると思った」と発言してます。
髙田 当時のUインターは「プロレス最強」をメインコンセプトでやってたから。プロレスも面白いけど、同時に外へのチャレンジ(他流試合)も積極的にやっていくと。その中で、93年にホイス(・グレイシー)が出てきて(第1回UFCで優勝した後)「兄のヒクソンは私の10倍強い」なんて言ったもんだからザワついたよね。あの10倍だもの。
―それで、道場破りになったわけですね。
髙田 まぁ、そこに行き着くまでにはいろいろな経緯があったよ。当然、ヒクソンをUインターのリングに引っ張り上げる努力もしたけれど叶わなかった。
そしてあの(道場破りの)日、安ちゃんから国際電話で(結果を)聞いた時のことは忘れもしない。「すみません、やられました」と。この報告を受けた瞬間こそが、まさに私が「ヒクソンを追いかけなければならない立場になった」瞬間でもあった。ある種の宿命を感じたよ。
―それがPRIDEの胎動になったんですよね。他に安生さんとの思い出は?
髙田 ありすぎて選べないな(笑)。とにかく常に近くにいてくれたよ。あの笑顔を見せながらね。引退興行(*)では安生洋二らしく有終の笑顔で締めてもらいたい。
引退後は焼き鳥店をやるために現在修業中らしいから、そっちも成功してもらいたいね。私もチョイチョイ食べに行くよ。
*引退興行は3月19日、後楽園ホールで開催され、髙田はVTR出演し「男の中の男、安生洋二、出て来いや!」と呼び出し役を務めた
―最近、髙田さんがプロレスの話をされる機会は少ないですが、またツイッターでの爆弾発言を期待してます!
髙田 飲んでツイートするのはもうやめるよ!(笑)
■髙田延彦(たかだ・のぶひこ)
1962年生まれ、神奈川県横浜市出身。81年、新日本プロレスでデビュー。UWFインターナショナルなどを経て、97年には PRIDEでヒクソン・グレイシーと対戦。2002年、田村潔司戦で現役を引退。現在はタレントとして活躍する一方、髙田道場代表。子供たちの体育イベン ト「ダイヤモンド・キッズ・カレッジ」を全国で開催している
(取材・文/“Show”大谷泰顕 撮影/乾 晋也)
ここ数カ月の間に登場したビデオの数から判断すると、テスラ「モデルS P85D」(P85Dの意味は、パフォーマンス、85kWh、デュアルモーターの頭文字を表す。つまり全輪駆動だ)のオーナーたちは、自身のスーパーEVを他のクルマと対決させるのが好きらしい。これまでにダッジ「チャレンジャー SRTヘルキャット」やフェラーリ「458イタリア」、さらにはP85D同士のスポーツモードと”insane”(狂気的)モードとの対決を繰り広げてきた。さらに今回は、モデルS P85Dが全く毛色の違う乗り物と対決した映像をご紹介しよう。
その対戦相手とは、Lynx「Boondocker」。上の画像を見ればお分かりかと思うが、スノーモービルである。そして対決の舞台は、薄い雪で覆われた凍った湖の上だ。
Boondockerは、最高出力160hpを発生する2ストローク排気量800ccのロータックス製エンジンを搭載し、約0.65㎡の滑走面を持つ、いわばエンジン付のそりだ。一方のテスラは、最高出力691hpと最大トルク94.9kgmを発揮するデュアルモーターによって、ドライ路面なら0-60mph(約96.6km/h)まで僅か3.2秒で加速するが、今回の対決ではそのパワーをノキアン製のスタッドレスタイヤで受けなくてはならない。しかしテスラには、”氷を物ともしないトラクションコントロール”という秘密兵器を隠し持っている。
気になるレースの結果は以下のビデオでご覧の通り。詳しい対決の様子は映像を制作したノルウェーの情報サイト『KLIKK.no』をご覧いただきたい。デュアルモーターのモデルSは、スノータイヤを装着していれば、おそらく他のクルマが立ち往生してしまうような凍った斜面でも登ることが出来るだろう。その証拠として、坂の途中で停まっているクルマを追い越していくP85Dの様子を収めたビデオもその下にご紹介しておこう。
動画を見る
By Domenick Yoney
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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【ビデオ】テスラ「モデルS P85D」がスノーモービルと氷上対決!
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ガールズグループCRAYON POPが21日午後、ソウル中(チュン)区乙支路(ウルチロ)ファッションビル「doota!(ドゥータ)」前の野外特設ステージでオープンショーケースを開催し、新曲「FM」のステージを初披露した。
この日のショーケースは、CRAYON POPの新曲を多くのファンに披露するために行われた。女戦士のコンセプトでビニール服を着て登場したCRAYON POPのメンバーは、変わらないコミカルダンスと中毒性のあるメロディーでファンを魅了した。
CRAYON POPは27日、2ndミニアルバム「FM」の配信を開始し、ミュージックビデオを公開する予定だ。
泣きべそをかきながらも、必死でもがく主人公・一雄(西島秀俊)を描いてきたドラマ「流星ワゴン」(TBS)もいよいよ今夜最終回。親子の、そして夫婦の関係はどうなるのか。最終回に向けて、見どころをおさらいしておこう。
【見どころその1】受験に失敗し、引きこもった息子は救われるのか
背後からのそりと現れ、金切り声をあげながら金属バットを振り回す。ホームドラマというより、ホラー映画のようだった息子・広樹(横山幸汰)。中学受験に失敗したことをきっかけに、引きこもるようになり、暴力をふるう。その背景には同級生からの執拗ないじめがあったことが、ワゴンの旅で明らかにされた。3月22日放送の第9話では、一雄が広樹を連れ出す。向かった先は以前、忠さんと一緒に乗った観覧車(第1話)。忠さんと撮ったように、広樹とも記念撮影サービスの写真を撮る。そして、「つらかったら逃げろ」「逃げていいんだ」と繰り返し伝える。このやり直しの旅のなかで、広樹は泣きながら父親に抱きつき、親子の気持ちは通じ合ったかのように見えた。しかし、現実の世界ではどうなるのか。ドラマの中で忠さんは繰り返し、「逃げるな」と伝え、一雄は「つらかったら逃げてもいい」と言い続けてきた。広樹はつらい現実を乗り切ることができるのか。乗り切れるとしたら、忠さんと一雄どちらの方法が役に立つのか。それとも、逃げるのも逃げないことのひとつだ! という折衷案が飛び出すのか。最終回での行方が気になる。
【見どころその2】ギャンブルにのめりこむ妻の心を取り戻せるのか
「お前が思っとるより、ずーっとあの女は病んでるで」(第4話)という忠さんの言葉通り、競馬やパチンコにのめりこみ、借金を重ねる妻・美代子(井川遙)。第9話では、忠さんに「ぼろくそに罵ってええけえ、どうか、あいつから逃げんといてやってつかあさい」と懇願された美代子が本音を語り始める。妻の希望をかなえるために、少々無理して住宅ローンを組み、夫自ら家計のやりくに励む。一方で、妻の家事の負担を減らすべく、食洗機をプレゼント。テレビの録画やゴミの分別も妻任せにせず、ぜんぶ再チェック。過保護というかなんというか、妻のことが大好きでたまらないベタ甘ダンナ以外の何ものでもないのだが、美代子にすれば「バカにしないで!」ということだったらしい。
本音をぶつけあい、心の距離が縮まる一雄と美代子。しかし、別れのときは迫っている。一雄がもうすぐ死ぬらしいと聞かされて、動揺する美代子。一雄は「大丈夫だよ。今だけだから、君がそうやってつらい思いをするのは。今日聞いたことや、やったことも全部忘れちゃうから」と相変わらず、ズレた優しさを見せる。息子には「お前は覚えていてくれ。今夜の父さんのこと、忘れないでくれ」と懇願していたのに、妻には忘れる前提で話をしているのが興味深い。その押しの弱さが吉と出るか、凶と出るか。交際当時の回想シーンが流れたが、どうやら美代子は男の世話を焼くことでアイデンティティを保ちたいタイプらしい。ということはむしろ、一雄のグズさ加減ことが夫婦の危機を救うカギになるのかもしれない。
【見どころその3】忠さんはなぜ、43歳の姿で一雄の前に現れたのか
いよいよ死が目前に迫り、生き霊として存在できなくなってしまった忠さん。第9話で「わしもあいつと一緒にいると腹がたってしゃあない」と美代子に語ったように、一雄とはワゴンの旅が始まってからずっと親子喧嘩をしどおしだった。でも、それは“五分と五分との朋輩”としての本音のぶつかりあいでもあり、おかげで二人の関係は以前とは比べものにならないぐらい近づいている。でも、まだ一雄は知らなかった忠さんの顔がたくさんある。「頼みます、頼む、頼みます。どげなことでもしますけえ。カズを死なせんといてつかあさい」と、ワゴンの運転手・橋本(吉岡秀隆)に土下座し、困惑させたり、美代子に「今のあいつをできる限り覚えとってつかあさい」と頭を下げたり。その姿は一雄の言う、冷たく身勝手な父親像とはかけ離れている。最終話では、消えてしまった忠さんを追い、一雄は故郷に向かうという。予告動画では「ようやくわかったんじゃ。なぜ、43歳のワシがカズの前に現れたんか!」と忠さんが嬉しそうに叫んでいた。原作では、主人公は38歳。なぜ、5歳年上の設定になっているのか。まさか忠さんてば「黄泉の国から来たからじゃー!」とかいうオヤジギャグだったらどうしてくれよう……いやいや、そんな……! 答え合わせは今夜9時から!
(島影真奈美)
3月20日に全国公開された映画『暗殺教室』の見どころはどこなのか? 脚本を担当した金沢達也へのインタビュー、後編です。(前編はこちら)
《原作者と脚本の関係性》
─── 漫画にしても小説にして、原作ものを映像化する場合、本来であれば数多くあるエピソードの中からどれを抽出していくかが一番大変なことのはずなのに、変に足したりする作品も多いですよね。
金沢 まあ、なかにはそういう作品もありますね。
─── 先ほど、引き算で脚本を作った、という話がありましたが、その点はどう考えていますか?
金沢 絵づくりの問題や演技の制約上の兼ね合いで、何かを変える場合があるのはわかるんです。でも、足すっていうのは自分も昔から疑問です。そもそも、魅力ある原作だから映像化しようと思ったんじゃないの? と。そこは何なんでしょうね? 実写化におけるプライドなのか何なのか……もっと、原作をどう活かすかを考えたほうがいいんじゃないかと思います。その意味でも、今回はすごくいい作品に巡り会えたと思いますね。
─── 気になったのは、映画の内容と原作がとてもリンクしているというか。特にエンディングで「あれ? 今のって最近のジャンプで見なかったか?」というシーンがありまして。
金沢 ねぇ。あれ、驚きましたよね。そこは、松井先生のほうが合わせていただいたのかもしれないですね。
─── 原作者である松井優征さんとは何か打ち合わせをしたりとかは?
金沢 原作者と脚本家って、やっぱり直接は会わない方がいいと思うんですよ。なので、撮影まではプロデューサーを介していろいろとやり取りをさせていただきました。お会いしたのは打ち上げの席ですね。「今後も自分の作品が映像化される場合は、脚本家は金沢さんで」と言っていただけたのが一番の思い出です(笑)。
─── ちなみに、今年1月からはTVアニメ版『暗殺教室』(フジテレビ系列)も放送されています。同時期にアニメも描かれる、という点で何か意識したことはありますか?
金沢 脚本においては全くないです。監督もそんなに意識してないと思いますよ。プロデューサー陣はいろいろとあるかもしれないですけど。僕個人としては楽しく拝見しています。
─── でも、漫画だからできること、アニメだからできること、実写だからできることっていうのがそれぞれあると思うんです。だからこそ、映画版ではこうしたい、こう見せたい! というのがあったのかなと気になったのですが。
金沢 そこはもう、実写化のプロ集団が揃っているわけですから、変に意識しないで素直にストーリーを飲み込んで実写化していくだけだと思いますよ。
《プライベートの脚本の関係性》
─── この映画の企画が立ち上がったのはいつ頃?
金沢 一昨年の夏ぐらいだったと思います。当時、羽住監督は別作品の撮影中だったので、最初は自分とプロデューサーの2人でプロット作りをして、羽住監督とお会いして詳細を決めたあとは2ヶ月で一気に本を書き上げた感じですね。そして、群馬の山奥で2ヶ月の撮影合宿に入り、その後、撮影期間より長い地獄のCG合宿が半年以上……(笑)。そうそう、今回の群馬のロケ地、実は僕が推薦したんです。
─── おぉ! 群馬出身者として。
金沢 群馬のとある山奥に原作そっくりの校舎があるんです。もちろん、撮影するにあたっては撮影専用の校舎を別に建てたんですが、シーンによっては、もともとあった校舎を利用したりもしています。
─── 今回、学校がテーマというか作品の舞台になっています。金沢さん自身の学生時代の経験やエピソードが何かしら脚本のエッセンスになったりは?
金沢 基本的に原作に忠実に、と思って作っているので特にはないですよ。でも、思い出したことがひとつ。僕は高校時代、この作品の舞台である3年E組みたいなクラスで過ごしたんですよ。
─── エンドのE組のような?
金沢 学校の中の落ちこぼれや問題児ばかりを集めたクラスが『暗殺教室』における3年E組。一方、僕の通っていた高校はラグビーに力を入れていたんですけど、まあそのラグビー部がヤンチャな奴らばっかりなんですよ。こいつらが分散してたら指導する側はたまらんから一つにまとめよう、とラグビー部ばっかりのクラスでき、なぜか自分もそこに加えられるという……サッカー部なのに(笑)。E組になる憂鬱さってああいうことかな、って思い出しましたね。
─── プライベートな話でいえば、金沢さん自身にお子さんが生まれたばかりだと思います。子を持つ親、という立場が今回のような学園ものを作るうえで影響したりはしましたか?
金沢 あまりないですね。でも振り返ると、以前(元AKB大堀恵との)結婚を発表したとき、ずっとオカマのドラマを書いていたんです。だから、新婚中はずっとオカマのことを考えて、子どもが生まれたら暗殺のことばかり考えてる。なんか、皮肉な仕事だなぁと(笑)。
─── でも、暗殺の話でもあり、教育の話でもあります。
金沢 そう! そこがこの作品の肝というか、難しい部分であり、面白い部分だと思います。やっぱり「暗殺~」というタイトルで怖がられるじゃないですか。でも、原作を読んでいる方はご存じだと思うんですが、やっぱり教育の話なんですよね。教育スペクタクルというべきか。
─── 試写を見て、しっかりと「学園モノ」として描いているなと感じました。
金沢 学園モノだし、宇宙人的なSFモノでもあるし、アクション映画でもあるし。さらに言えば、青春もロマンスもサスペンスも笑いもある。普通、そういう要素満載を目指すと失敗しがちなんですけど、『暗殺教室』の場合はそこを目指していなかったのに結果として全部入ってしまった。それができたのは「教育」という軸がブレなかったからだと思うんです。確か、主演の山田君が言っていたのかな?「金八先生みたいだ」と。
─── 金八先生! 確かに。
金沢 だから、もし原作を知らずにこのタイトルだけで「ちょっとその映画、大丈夫?」と思った方がいたとしたら、金八先生みたいなエッセンスのある映画、と思ってもらうのがいいかもしれません。
─── 最後に、今後の金沢さんのお仕事の予定は?
金沢 まだ具体的に動いているものはないんですが、それこそ今月23日にこの映画のノベライズ版(『映画 暗殺教室 JUMP j BOOKS』)が出ます。映画とちょっとだけ違う部分もあったりしますので、映画を観たあとにその違いを楽しんでもらえれば嬉しいですね。
映画『暗殺教室』、3月21日(土・祝)から全国東宝系にてロードショー!!
(オグマナオト)